食品会社からの食品提供

子ども食堂は、自主財源が潤沢にあるわけではないため、支援してくださる方々との連携は必須です。中でも企業様から頂く支援は重要であり、食品の提供、情報の共有、ボランティア提供、資金提供などがあります。

 食品の提供には、主に3種類あります。生業から提供していただく食品(例:食品企業メーカーさんからの食品など)、会社の防災備蓄品、会社の職員から集めた食品です。いずれの場合も、ご連絡いただいたのちお話しさせていただき、子ども食堂で使用する目的でいただきます。子ども食堂は、米、肉・魚・卵(冷蔵・冷凍含む)、お菓子、飲料など、多様な食品が必要です。子ども食堂では、食事の提供のほか、食品を配布するフードパントリーに使用します。

 情報の共有も、大きな支援につながります。子ども食堂にご興味を持っていただいた企業へは、説明にお伺いしています。中には、説明会を開催していただくこともあります。子どもたちの状況をご理解いただくことは、とても大事です。見えるところ、見えないところで、様々な支援へとつながっていくからです。説明会ののち、ご寄付をいただくことも珍しくありません。

 また、企業の社長で作る組織から、ボランティアの提供を受けることもあります。「子どもたちのために、何かしたい」というお話をいただき、子ども食堂の現場に直接行っていただき、様々なイベントを開催していただくこともあります。ダイナミックな活動に、子どもたちもとても楽しみにしています。

福岡ライオンズクラブなどの資金提供・ボランティア活動・食品提供

例をあげると、こんなご支援をいただきました。

 子ども食堂では、子どもの成長に欠かせない米や動物性たんぱく質はとても大切であり、いただけるとどの団体もとても喜びます。子どもたちが心配とご寄付をしていただく食品メーカーがあり、冷凍ハンバーグ、冷凍チキンカツ、冷凍とんかつなど、冷凍食品はとても助かります。ふくおかこども食堂ネットワークでは、冷凍ストッカー、冷凍冷蔵庫のほか、長時間の運搬でも温度が上がらない高機能の冷凍ボックスを用意しています。子ども食堂へ希望数を聞き、スケジュールを調整してお届けしています。

 また、企業グループが子ども食堂を支援してくださることもあります。日程を調整し、複数名で子ども食堂へ来場、オリジナルのワークショップ(くじ引き、言葉遊び、いなり寿司作り など)をしていただいた後、お弁当を子どもたちに配ってくださいます。大好きなおかずや量を調整し、お弁当を食べきることができるよう、工夫をしてもくださいます。

 こうした活動は、子どもたちへの理解促進に役立ち、続けて支援をしていただくきっかけにもなります。一見すると困っていないように見える子どもについても、こちらが解説をすると驚いていたりもされます。

子どもの貧困は、経済的な貧困もありますが、今日本で大きな問題になっているのは孤独や孤立です。子どもだけで過ごしていたり、遊び場所がなかったり、子どもらしく子ども時代を過ごすことができない子どもたちの存在は、大きな問題です。コロナで学校に行けなくなってしまった子どもたちもいます。しかし、子ども時代に自分を支えてくれた大人のことは、子どもたちはちゃんと覚えています。成長するにつれ、そうした思い出が、人生の荒波を乗り越えるための勇気やきっかけになります。子どもたちは、時間と手間をかけて人間らしくなるもの。地域で子どもを育てる感覚が求められています。